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目次
「今の給与は高くもなく低くもないんだけれども、転職したら上がるのかが心配」
「内定をもらったけど今よりも年収が低くて、びっくりした」
「転職したら年収は上がると思ってるんだけど、実際どうなの?」
こんな疑問をお持ちの方、この記事はぜひ読んでください。
他ではなかなか見ることができない、転職で年収が上がりやすい人、下がりやすい人のデータをまとめています。
先日、日経新聞でこのような記事を見かけました。
ざっくり言いますと、こんな内容です。
転職で前職より賃金が増える人の割合が減っている。リクルートキャリアによると、2020年10~12月期に同社のサービスを使って転職した人のうち、賃金が1割以上増えた人の割合は前年同期より3.2ポイント低い26.4%となった。低下は7四半期連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業が積極的に人材を確保する動きが弱まっている。
つまり、おおよそ4人に1人しか転職で年収が上がっていない、ということが書いています。
年収の改善を強く切望している方にとっては、気が気じゃないお話ですね。
ところが、これは珍しいお話ではないと考えます。
決してリクルートキャリア様を利用すると年収が上がらないというお話ではありません。
私もこの記事を書くまでは、中途採用現場に携わる中で、肌感ですが転職によって年収が上がる人は決して多くないと感じていました。
そこで、改めて直近3年間の弊社データをもとに計算してみましたので、公開したいと思います。
それでは、まずは年収が上がった、下がった、キープだった、の全体的な数字から。
年収が上がった 37%
キープだった 10%
年収が下がった 53%
年収が上がった人は半数には及びませんが、キープ以上だった方々は47%となり、約半数となります。
ここで気になるのは、どんな人が年収が上がりやすくて、どんな人は下がりやすいのか、という点です。
業態(メーカー・開発会社・部品メーカー)や、職種、役職など様々な要素がありますが、今回は「前職年収」を切り口に深堀りしてみたいと思います。
前職年収を100万円ごとの年収帯に分けて、「年収が上がった」「キープ」「年収が下がった」それぞれの構成割合を見てみます。
前職年収 | 年収が上がった | キープ | 年収が下がった |
299万円以下 | 21.6% | 0.0% | 5.7% |
300万円〜399万円 | 37.8% | 0.0% | 18.9% |
400万円〜499万円 | 29.7% | 50.0% | 26.4% |
500万円〜599万円 | 10.9% | 30.0% | 28.3% |
600万円〜699万円 | 0.0% | 20.0% | 9.4% |
700万円以上 | 0.0% | 0.0% | 11.3% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
特徴としては、年収が上がった人の約90%が、前職年収が500万円未満の方々です。
逆に600万円以上の人は一人も年収が上がっていません。
次に、キープとなる人の半数は400万円台で、500万円台と600万円台にもそれぞれ分布されています。
一方で、700万円以上や400万円未満になるとキープとなった人はいないということになります。
年収が下がった人の49%が500万円以上の方々です。400万円以上の人も含めると実に75.4%にもなります。
要するに前職年収が高めになると、内定時年収は下がりやすくなるということがわかります。
ここで考えられる基準がありまして、それは「内定時の平均年収」です。
弊社でサポートさせて頂いた方々の内定年収の平均が約425万円ですから、前職年収が平均より上ならば内定年収が下がりやすく、平均より下ならば内定年収が上がりやすい、と言えるかもしれません。
よって、これを検証してみたいと思います。
前職年収 | 年収が上がった | キープ | 年収が下がった | 合計 |
425万円未満 | 29% | 1% | 21% | 51% |
425万円以上 | 8% | 9% | 32% | 49% |
合計 | 37% | 10% | 53% | 100% |
前職年収が425万円未満のうち、年収が上がった人の割合は、年収が下がった人の割合よりも多いことがわかります。
一方で、前職年収が425万円以上のうち、年収が下がった人の割合は、年収が上がった人の割合よりもだいぶ多いことがわかります。
これらの結果でわかることは、やはり前職年収が平均年収よりも低い人は転職で上がりやすく、高い人は転職で下がりやすい傾向にあるようです。
ここまでの結果をまとめますと
・425万円未満の人は年収改善を積極的に狙いにいく
・425万円以上の人は年収改善に慎重な転職活動をする
といったことがあげられます。
425万円未満の人は転職を通じて年収改善もしくはキープできる可能性が高いため、積極的な転職活動をしてしまってもさほど心配はないと言えるでしょう。
一方で、425万円以上の人は慎重な転職活動が必要です。
では慎重な転職活動とはどういうことかと言いますと、現職で給与が見合っていない要因を特定し、それに合った対策を図ることです。
一般的に現職で実力に見合った給与をもらえていない要因は以下が考えられます。
1)現職の経営状況が不調で実力に見合った給与をもらえていない
2)現職の人事評価システムが機能しておらず給与の見直しがされていない
3)スキルが足りていない
現職の経営状況が悪く、給与が上がらないのであれば経営状況が好調な企業に転職することで給与が改善される可能性は高いでしょう。
現職の人事評価システムが機能していないのも同様で、人事が機能している企業への転職で改善される見込みは高いです。
最後のスキル不足ですが、このケースでは転職で改善される可能性は高くありません。
よって、現職に留まりスキルを磨くなどの対策が必要ですが、給与が下がっても環境を変えてスキルを磨き直す、ということも手段の一つです。
年収が下がらない転職をするための対策をまとめますと
・経営状況が良い企業へ転職する。
・人事システムが機能している企業へ転職する。
・現職に留まりスキルを磨く。もしくは環境を変えて磨き直す。
転職活動中の方も、これから転職活動される予定の方も、ご参考になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。
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